アメリカの「格付け」が下げられたという
ニュースが話題になっています。でも、「格
付け」ってそもそも何?「ムーディーズ」
って誰?日本は大丈夫?など、気になる疑
問もいっぱい。この記事では、中学生にも
わかる言葉で、「格付け」や「ムーディーズ」
の役割、そしてそのニュースの意味をやさし
く解説します!
ムーディーズの格付けってどういう意味?
出典元:日本経済新聞
格付け=信用の点数みたいなもの
「格付け(かくづけ)」とは、国や会社が
「お金をちゃんと返せるかどうか」を評価
する“信用の点数”のようなものです。たと
えば、「この人には安心してお金を貸せる
な」という人には高い点数をつけて、「ちょ
っと心配だな」という人には低い点数をつ
けるイメージです。
この点数のことを「信用格付け」といいます。
AAAとAA1の違いはどれくらい?
ムーディーズでは、格付けのランクがいく
つかあります。アメリカはこれまで最高評
価の「AAA」をもらっていましたが、今回
の発表で1段階下の「AA1」に引き下げら
れました。
これは例えるなら、通知表の「5」が「4」
になったような感じ。でも、「4」でも悪く
はないですよね?それでもニュースになる
のは、アメリカが「世界でいちばん経済が
強い国」だからなんです。
ムーディーズってどんな会社?何のためにあるの?
出典元:illust AC
世界が注目する「評価屋さん」
ムーディーズはアメリカの会社で、世界中
の国や企業の「信用度」を調べて評価する、
いわばお金の世界の「通信簿メーカー」で
す。
似たような会社には「S&P(スタンダード
&プアーズ)」や「フィッチ」などもありま
す。投資家(お金を運用する人たち)や銀
行は、この格付けを見て、「どの国や企業に
お金を貸すか」「どこに投資するか」を決め
る材料にしています。
国や企業の「信頼度」を数字で見せる目的
ムーディーズのような会社が格付けを出す
のは、お金を貸す人(投資家)を守るため
です。もし、信用できない国や会社にお金
を貸して返ってこなかったら、大変ですよ
ね。だから、ムーディーズは「今、この国
や会社は信用できますよ」「ちょっと注意が
必要ですよ」と教えてくれる役割を担って
います。
格付けが下がるとどうなる?
出典元:illust AC
借金するときの「信用」が下がる
たとえば、あなたが友達からお金を借りた
いと思ったとき、「この人ならちゃんと返し
てくれる」と思われれば、スムーズに貸し
てもらえますよね。でも、「前も返してくれ
なかったし…」と思われていたら、貸して
もらえないかもしれません。
国でも同じです。格付けが下がると、「この
国、大丈夫かな?」と疑われ、お金を借り
るときの条件(=金利)が厳しくなること
があります。
金利が上がる?投資家も不安になる?
格付けが下がると、国は「信頼が下がった
分、金利を高くしてでもお金を集めなきゃ
いけない」という状況になります。
すると、借金の利息(=払わなければなら
ないお金)が増えて、さらに財政が苦しく
なる…という悪循環になるかもしれないの
です。
なぜアメリカの格付けが下がったの?
財政赤字がどんどん増えてるから
ムーディーズは、アメリカの「格付けを下
げた理由」として、「財政赤字が大きくなり
すぎている」ことを挙げています。
「財政赤字(ざいせいあかじ)」とは、政府
の収入(税金など)より支出(使うお金)
のほうが多い状態です。アメリカは軍事費
や社会保障にたくさんお金を使っている一
方で、収入が足りていないのです。
将来の返済が「大丈夫かな?」と疑われている
ムーディーズは「このままだと、将来ちゃ
んと返せなくなる可能性がある」と見てい
るのです。特に、アメリカの借金の額がGD
P(国内総生産)に対して134%にもなる見
込みだと指摘しています。
つまり、「世界一の経済大国」とはいえ、ず
っとこの調子ではマズいかもしれないとい
う判断が下された、ということです。
日本の格付けはどうなの?アメリカより安心?
出典元:illust AC
日本の現在の格付けは「A1」
ムーディーズが日本に与えている評価は
「A1」です。アメリカが「AA1」なので、
日本の方が1ランク下の評価になります。
細かく言えばAA1の下にAA2、AA3とあり
ます。その下がA1。格付け会社により表記
の仕方が変わっています。
日本はアメリカよりも先に、だいぶ前から
格付けを引き下げられていました。
出典元:日本経済新聞
借金は多いけど大丈夫なの?
日本の借金の額はなんと、GDPの260%超
え。これはアメリカの倍以上です!
でも、日本はその借金のほとんどを国内の
銀行や年金機関が買っているため、外から
の信頼は保たれている面もあります。
つまり、「自分の家の中で借金している」状
態なので、すぐに危機になるわけではあり
ません。
日本にも必要な「財政の立て直し」
それでも、これから高齢化が進んで社会保
障費がどんどん増える日本では、「このまま
でいい」とは言えません。
税金の使い道や借金の増え方を見直す、財
政の健全化が日本にも求められています。
ムーディーズの格付けをどう受け止める?
私たちに直接関係あるの?
「格付けの話って、なんだか遠い世界の話
に感じる…」と思うかもしれません。でも、
格付けが下がって金利が上がると、
-
政府が払う借金の利息が増える
-
国の支出が圧迫され、公共サービスや福祉が削られる
-
円高や円安、株価の動きにも影響する
など、私たちの生活にジワジワと影響して
くる話なのです。
知っておきたい「情報の見方」
格付けのニュースはちょっと難しいですが、
これをきっかけに「国の借金」や「経済の
仕組み」に少しでも興味を持てたら、それ
はすごく意味のあることですね。
「なぜ今こんなニュースが出たのか?」「ど
ういう影響があるのか?」を知るだけで、
ニュースが“自分ごと”になります。
世間の声は?ネットではこんな反応も
SNSやネット掲示板では、こんな声が見ら
れました。
「アメリカでも格付け下げられるのか…意外」
「アメリカの借金ってすごいんだな」
「それより日本の方が借金やばくない?」
「結局どこの国も先送り体質なんだな…」
多くの人が、「格付け=国の通知表」として
興味を持ち、「自分の国は大丈夫か?」とい
う視点に目を向けています。
最後に:ニュースをきっかけに「考える力」を育てよう
出典元:istock
今回のムーディーズの格付け引き下げは、
単なる数字の話ではなく、「経済と信用は
つながっている」という現実を私たちに教
えてくれました。
そもそも借金をしなければ生活できないな
んでおかしいですよね。
格付けは“世界が見ている評価”。それを気
にするのは、投資家だけではありません。
私たち一人ひとりが、こうしたニュースを
通して「自分の国」「自分の生活」と結び
つけて考えることが大切です。
難しい話題こそ、やさしく理解することが
第一歩。
今日から少しだけ、「ニュースの見方」が変
わるといいですね。
最後まで読んでくださり
ありがとうございました。
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