出典元:bunshun.jp
2025年5月、女優・広末涼子さんが公表した
「双極性障害」と「甲状腺機能亢進症」。
この2つの病気が一緒に報じられたことで、
ネット上では「精神の病気と体の病気に関係
があるの?」「治るの?」といった疑問が数多
く寄せられています。
今回の記事では、この2つの病気の関係性や、
それぞれの特徴、そして治るのかどうかについ
て、できるだけわかりやすく解説します。
双極性障害と甲状腺機能亢進症の関係はあるの?
出典元:bunshun.jp
実は、双極性障害と甲状腺の病気には密接な
関係があるとされています。甲状腺から分泌さ
れるホルモンは、私たちの代謝や精神状態をコ
ントロールする役割を持っています。甲状腺ホ
ルモンが過剰になる「甲状腺機能亢進症」にな
ると、気分が高揚しやすくなったり、神経が過
敏になることがあります。
こうした状態が「躁状態」に似た症状を引き起
こすこともあり、精神面への影響が強く出るケ
ースもあるのです。
つまり、甲状腺ホルモンのバランスが崩れるこ
とで、双極性障害の症状を引き起こしたり、悪
化させたりする可能性があるというわけです。
甲状腺の病気と心の病の意外な関係
甲状腺機能亢進症の代表的な症状は以下のよう
なものです。
-
動悸が激しくなる
-
発汗が増える
-
イライラや不安感
-
手の震え
-
不眠
-
疲れやすいのにハイテンションな状態
こうした症状は、心療内科で診断される「不安
障害」や「双極性障害」の症状とよく似ている
ため、間違って診断されてしまうことも。
実際に、甲状腺の異常を見逃して精神疾患と診
断され、後から内科で正しい病名が判明したケ
ースもあります。
体の病気と心の病は切り離して考えがちですが、
ホルモンバランスの乱れが心に影響するという
点を理解することがとても大切です。
双極性障害の診断はどんなふうにされる?
双極性障害は、「躁うつ病」とも呼ばれ、ハイ
テンションで活動的な“躁状態”と、何もやる気
が起きない“うつ状態”を繰り返す病気です。
診断は、以下のような流れで行われます。
-
精神科・心療内科での問診(家族の話も含む)
-
気分の波がどれくらい続いているか
-
躁状態・うつ状態のそれぞれの頻度と程度
-
他の病気(甲状腺の病気など)との鑑別診断
-
必要に応じて心理検査や血液検査
つまり、「気分の浮き沈み」だけで即座に診断
されるものではなく、しっかりとした観察と診
断プロセスが必要になります。
双極性障害は治るの?どれくらいの人が発症している?
出典元:bunshun,jp
双極性障害は「完治する病気」というよりも、
上手に付き合いながらコントロールしていく病
気です。
ただし、薬物療法やカウンセリング、生活習慣
の改善などで、**症状が安定し社会生活を送れ
るようになる=寛解(かんかい)**を目指すこ
とができます。
治療には数ヶ月〜数年かかることもありますが
医師と一緒に治療を継続すれば、元気に仕事や
家庭生活をしている人も多くいます。
厚生労働省のデータによると、日本ではおよそ
100人に1人が双極性障害を経験していると言
われています。つまり、珍しい病気ではなく、
誰にでも起こりうるということです。
■ 双極性障害の症状による「迷惑行動」とは?
双極性障害の「躁状態」のときに見られる
特徴的な行動には、
-
異常なほどテンションが高くなる
-
衝動的にお金を使う、大声で怒る
-
自分を過大評価して突拍子もない行動をとる
-
睡眠をとらずに動き続ける
-
周囲の意見を無視する
などがあります。本人に悪気はなくても、結果
的に周囲に迷惑をかけてしまうことがあるので
す。
■ 治療で行動はどう変わるのか?
治療には主に次のような方法があります。
-
薬物療法(気分安定薬・抗精神病薬など)
→ 気分の波を穏やかにすることで、極端な行動を抑えます。 -
精神療法(認知行動療法など)
→ 「自分の症状パターン」を理解し、行動を調整できるようになります。 -
生活リズムの安定
→ 睡眠・食事・運動のコントロールが回復のカギ。
これらをきちんと行えば、日常生活はもちろ
ん、仕事や家庭生活も安定させることが可能
になります。
■ 双極性障害の「うつ状態」で見られやすい初期サイン
以下のようなサインが現れたら、要注意です。
サイン | 説明 |
---|---|
✅ 元気がなくなる | 今まで楽しんでいたことに興味が持てなくなる |
✅ 急に口数が減る | 会話が減り、表情も乏しくなる |
✅ 朝が特につらい | 朝起きられず、活動に時間がかかる |
✅ 自分を責めがちになる | 「自分なんてダメだ」「いなくなりたい」など自己否定が増える |
✅ 身だしなみに無頓着になる | メイクや服装を気にしなくなることも |
✅ 食欲や睡眠に変化が出る | 食べすぎ・食べられない、眠れない・寝すぎる、などの変化 |
✅ 疲れやすい・やる気が出ない | 理由がなくても「ずっと疲れている」感じがする |
■ 双極性障害の原因とされる主な要因
要因 | 説明 |
---|---|
🧬 遺伝的要因(体質) | 家族に同じ病気の人がいる場合、発症リスクがやや高くなる傾向あり(ただし絶対ではない) |
🧠 脳内物質の異常 | セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンなどの神経伝達物質のバランスの乱れが関与 |
⚡ ストレス要因 | 大きな環境変化(転職・離婚・出産・人間関係のトラブルなど)がきっかけになることも |
😴 生活リズムの乱れ | 睡眠不足、昼夜逆転、不規則な食生活も悪化の要因に |
🧬 甲状腺ホルモン異常 | 甲状腺機能亢進症や低下症が気分障害と関連することもあり(今回の広末さんのケースのように) |
芸能人の病気公表が社会に与える影響とは?
出典元:Yahoo!ニュース
広末涼子さんのように、有名人が精神疾患を
公表することには大きな意味があります。
一方で「病気を理由に責任回避しているので
は」といった声が上がることもありますが、
それはまだ精神疾患への理解や受け止め方が
進んでいない証拠かもしれません。
今回のようなケースをきっかけに、「心の病気
も身体と同じように、ちゃんと治療すべき病気
なんだ」と思える社会になっていくことが求め
られています。
当然のことですが、本人がしっかりと自分と向
き合う覚悟を持つことが重要だと思います。
まとめ|心と体、両方を大事にする時代へ
広末涼子さんが公表した「双極性障害」と「甲
状腺機能亢進症」――この2つはまったく別の
病気のようで、実は深くつながっていることが
わかりました。
✅ 心の病気は、体の病気が引き金になることがある
✅ 双極性障害は完治しないが、コントロール可能
✅ 精神疾患は誰にでも起こりうる身近なもの
✅ 芸能人の公表が社会の理解を後押しする可能性も
私たちにできるのは、「ちゃんと知ること」。
そして、自分や周囲に起きた時に、焦らず、責
めず、支え合える関係を作っておくことかもし
れません。
それにしても、なぜここまで体も心も病んでし
まう人が多くなったのでしょうか。もっと深掘
りしていくと意外な原因がたくさん潜んでいる
かもしれませんね。最後まで読んでくださりあ
りがとうございました。
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