出典元:www.ac.illust.com
十分に寝ているつもりでも「なんだかスッキリしない…」と感じることはありませんか?
そんな“隠れ睡眠障害”を、なんと唾液だけで見つけられる時代がやってきました。
最新研究によって、睡眠の質を判定できる6つの物質が特定され、今後は睡眠ドックなどへの導入も期待されています。
本記事では、その仕組みから未来の健康診断のカタチまで、分かりやすく解説していきます。
睡眠に不安がある人は今すぐ知っておきたい唾液分析
質問調査に頼る時代から、客観的データの時代へ
出典元:www.ac.illust.com
これまで、睡眠障害の診断は主に問診形式による自己申告に頼ってきました。
「最近よく眠れていますか?」という質問に対し、本人が1カ月を振り返って答える方式です。
しかしこの方法では、主観のズレや記憶のあいまいさがどうしても混ざり込んでしまいます。過去1週間を振り返るのも記憶が曖昧です。自分は昨日の夕食をすぐに思い出せないことすらあります。
そんな中、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)と茨城大学の研究グループは、
唾液から睡眠の状態を科学的に評価する方法を開発しました。
「睡眠障害をもっと客観的に測れるようにしたい」
──そんな医療現場の願いが、研究という形で現実になりつつあるのです。
「現在の代表的な評価方法は、被験者が質問調査で過去1カ月間の睡眠の質などを答えるものだが、この方法では主観によって結果が左右される余地があり、客観的な判断基準の確立が課題となっているという。」
出典:Yahoo!ニュース
起床後の唾液から睡眠の質がわかる理由
出典元:www.ac.illust.com
研究グループは、45〜60歳の日本人男性730人を対象に調査を実施。
その中から、「睡眠が良い人」と「睡眠が良くない人」を50人ずつ選び、起床後の唾液を採取しました。
分析した唾液成分はなんと435種類。
これらをデータ解析にかけたところ、睡眠の状態に深く関わる6つの物質が浮かび上がったのです。
結果、この6物質を元にすれば、睡眠の状態が良くない人を86.6%の精度で判別可能だと判明しました。
唾液成分って435種類もあるんですね。分析できるなんで凄いですね。
唾液に潜むヒント!6つの物質が明かす睡眠の質
研究で特定された435種類の中から絞られた6物質とは
まだ詳細な物質名は非公開ですが、これらの物質はホルモン代謝や神経活動に関連するとされています。
唾液は体内環境を反映しやすいため、体調やストレスレベル、睡眠サイクルの乱れなども表れやすいのが特徴です。
この研究の意義は、「自覚がない人でも、データで“睡眠の問題”を把握できる」点にあります。
いわば“体からのサイン”を、見逃さずに拾ってくれる仕組みなんです。なんとなく唾液が粘っこいとか、サラッとしているとかはわかりますけどね。成分までは、さすがにわからないです。
なぜこれらの物質が「睡眠障害」と関係するのか
睡眠の質は、単なる「寝た時間」だけでは測れません。
ノンレム睡眠(深い眠り)・レム睡眠(浅い眠り)のバランス、ホルモンの分泌、脳の回復状態など、複雑な要素が絡み合っています。
今回特定された物質群は、これらの内的バランスを数値化する“バイオマーカー”と見られています。
つまり、目には見えない睡眠の乱れを可視化する新たな指標が発見されたということ。
この発見は、従来の「主観中心の診断」から「客観的評価」への転換点になるかもしれません。
将来は睡眠ドックが主流に?研究の実用化に期待
唾液検査の臨床応用で何が変わる?メリットを解説
ここで気になるのが、「もし自分が唾液検査で睡眠障害と判定されたら、何が変わるのか?」という点です。
唾液検査によって睡眠障害が判明すると、以下のようなメリットがあります:
-
早期に気づける:まだ深刻化していない“予備軍”の段階で対策できる
-
的確な治療に繋がる:医師が科学的根拠をもとに薬や行動療法を提案できる
-
職場や学校での配慮が受けやすくなる:データがあることで理解と支援を得やすくなる
-
健康診断での評価項目が増える:従来見落とされがちだった睡眠の問題が見える化される
特に「寝ても寝ても眠い」「疲れが取れない」という人にとって、原因を数値で把握できるのは大きな意味があります。
また、誤診のリスクも低減されるでしょう。睡眠時無呼吸症候群のような重篤な疾患の見落としを防ぎ、より的確な診断へとつながります。
薬の処方についても、不適切な処方を回避することにも繋がりますし、安全で効果的な治療を提供するための基盤となるでしょう。
睡眠ドックでの導入が期待される理由
近年注目されているのが、心臓ドックや脳ドックのように睡眠に特化した健康診断「睡眠ドック」です。
唾液検査がこの「睡眠ドック」に導入されれば、以下のような展開が期待されます:
-
ストレスチェックと合わせて睡眠状態も一括評価
-
健康経営に取り組む企業での定期導入
-
保険適用による検査の普及
-
自宅でできるセルフキット型の簡易唾液検査の登場
「眠れないけど病院に行くほどじゃない」と感じていた人でも、気軽にチェックできるようになれば、
潜在的な睡眠障害の発見率は大きく向上するはずです。
世間の声「睡眠は足りてると思ってたのに…」
自覚と現実のギャップが浮き彫りに
SNSや健康診断の現場では、「自分では寝ているつもりだったのに、実は全然足りてなかった!」という声が多く聞かれます。
「7時間寝てるのに毎日眠い。まさかの睡眠障害予備軍?」
「唾液でわかるなんて簡単でいいじゃん。やってみたい」
「夫がいびきすごいから唾液検査で調べさせたい(笑)」
こうした“気づいていない不調”こそ、唾液検査が活きるポイントです。
とくにミドル世代では、加齢とともに睡眠の質が低下する傾向にあるため、自覚と実態のギャップが大きくなりがちです。
まとめ
唾液検査によって、これまで「なんとなく」で片付けられていた睡眠の問題が、科学的に判定できる時代がやってきました。
6つの物質で睡眠の状態を可視化し、将来的には睡眠ドックや健康診断の項目としても広く活用される可能性があります。
ドラッグストアで簡単に睡眠導入剤を買うことができますが、自己判断で使用するのはちょっと怖いです。的確に診断できれば誤った薬を飲まないですみますね。
「最近ちょっと眠りが浅いかも」と感じる人は、こうした新技術にも注目してみるとよいでしょう。
眠りの質を見える化することが、健康づくりの第一歩かもしれません。体を動かすことが少なくなったことも一つの原因だと思うので、なるべく歩いたり軽い運動を始めるのもいいですね。最後まで読んでくださりありがとうございました。
コメント